厚木看護専門学校

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あつかんコラム

「心に残る看護エピソード【母への最期の看護】 」

2024.02.14

幼い頃に家族の入院お見舞いに行った際、看護師が優しく話しかけてくれたことや、母の勧めから、物心がついたときには看護師を目指しました。

看護師となり働き始めて母の癌の再発が見つかりました。すでにその時余命3ヶ月から半年でした。治療をしながら入退院を繰り返し、最後の入院の際の担当看護師さんは「何でも協力するのでしてあげたいことやご本人がやりたいことを言って下さいね」と言い、私の今の思いを聴いてくれました。急変の際の治療について厳しい決断しないといけない場面もあり、挫けそうな気持ちのときもありましたが、この担当看護師さんの言葉で勇気づけられました。

最期を迎える前は病棟に泊りこみ一緒に過ごすことが出来ました。母の症状を観察しながら安楽な体位を調整したり、清拭や足浴を行ないました。食欲がなかった母ですが、亡くなる2日前は食堂に行きたいと話し、外出して一緒にラーメンを2口食べたことを思い出します。

亡くなった際は、死後の処置を病棟スタッフと一緒に行ない、綺麗に整えて送りだすことができました。

家族の立場となり、看護師の言葉がどれだけ心に残るのか、救われるのか実感しました。看護師になることを応援してくれた母に、少しだけ自分の「看護師」の姿を見せられたのではないかと思います。

看護学科 黒川 理沙

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