「心に残る看護エピソード【足湯】」
2024.02.28
私が看護学生だった頃、実習で受け持ったAさんとの思い出です。
Aさんは、股関節手術後のリハビリテーション目的で入院していました。毎日シャワー浴することは難しく、足のむくみもあったため、私は足浴を実施しました。Aさんは喜んでくれたものの、底の浅いたらいでの足浴であったため、足先しか浸からず、温かくなかったのに気を使わせてしまったなと思いました。
そこで、膝まで浸かる方法はないか考えました。同じ実習グループメンバーや教員とも相談、検討してみました。段ボールにビニール袋を何枚か重ねてその中にお湯を入れて足浴を行ったところ、段ボールは想像以上に保温性が高くまた、ビニールの端で足を包むようにまとめることでさらに温かくなることが分かり、Aさんからは「本当に気持ちいい。温泉に入っているみたいに身体も温まったわ」と本音が聞かれて、工夫して本当によかったと思いました。
看護師になって4年目になった頃、Aさんに偶然お会いすることができました。その際、Aさんが「あのときの足湯、本当に気持ちよかったわ」と覚えていてくれ、Aさんの記憶にも強く残る看護につながったと感じ、嬉しくなった瞬間でした。
看護学科:菊池 寛子
足が温まると、気持ちいいですね