看護師という仕事~看護師になって良かったこと・大変だったこと~part3
2023.07.26
看護師になって数十年経ちました。看護師の仕事は体力的にも精神的にも厳しい面はたくさんありますが、看護の経験を実生活でも活かせるのが良かったことの一つだと思っています。
学校帰りのある日、到着した電車に乗ろうとしたところ、中から若い女性がフラフラと出てきました。倒れてしまうと思いとっさに腕を掴み、声をかけましたが反応が鈍い様子がありました。このままでは危ないと判断し、近くのベンチに座ってもらいました。意識レベルの確認、脈拍や呼吸の確認…気づけば全身状態を観察している自分がいました。近くにいた方が駅員さんを呼んできてくれたため、その女性は駅の救急室に搬送されました。
短い時間での出来事でしたが、女性の様子を観察しながら、貧血?低血糖?脳血管系?まだ年齢は若いから、基礎疾患はないのかな…などいろいろなことが一気に頭の中をかけめぐりました。家に着いてからも、無事に家に帰れたかなと気になりました。
看護師をしていると、時々このような場面に遭遇することがあります。その時は必死になり、体が反射的に動きます。その後を想像して心配になることもありますが、きっと誰かの役にたっただろうという体験をした時、私は看護師になってよかったなと思います。
教員 髙橋 隆子