図書室から
2024.04.24
「装丁(そうてい)」をご存じですか。本の第一印象を決める重要なかぎとなります。
広辞苑(第六版)で「装丁」を引くと「書物を綴じて表紙などをつけること。また、製本の仕上げ装飾すなわち表紙・見返し・扉・カバーなどの体裁から製本材料の選択までを含めて、書物の形式面の調和美つくり上げる技術。また、その意匠。装本。」とあります。
書籍を見るとき、つい表紙ばかりに目が行ってしまいがちですが、本の様々な部分にこだわって1冊の本が作られています。図を参考に見ていくと、本にはそれぞれ名称があって部位ごとに装丁家がこだわって作っています。作家とは異なる視点で本の魅力を発信しています。文庫本でも映画化された小説には古いカバーの上にさらに映画のワンシーンのカバーがかけられている文庫本を見かけることがあります。高価な装丁だけではなく安価な本にもこだわりを感じます。箱付きで布張りの本や、文字が金色でデザインが凝っていて美しい装丁だと思わず手にしてしまいます。
書店や図書館で、装丁にこだわって本を探してみるのはいかがですか。
司書 三田 比奈子
本の各部位名称 図(新潮社 本作りの基礎知識より)