厚木看護専門学校

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あつかんコラム

忘れられない看護エピソード 「看護師さんと父が教えてくれたもの」

2021.03.17

私の父は、私が看護学生の時に亡くなりました。脳出血後、数か月入院し自宅に帰ることなく病院で息を引き取りました。

生前、病棟の看護師さんたちは私が訪れると父の様子についていつも詳しく教えてくれました。「いつもあなたのことを話しているのよ」と教えてくださった時はなんだか恥ずかしいような嬉しいような気持ちになりました。その後父は脳出血を繰り返し、話すこともできなくなりました。私が看護学生だと知っていた看護師さんたちは、父の口腔ケアや清拭を見せてくれました。

父が亡くなったとき、看護師さんは私に「エンゼルケアに入る?」と声をかけてくださいました。エンゼルケアとは死後に身体を拭いたり、着替えをしたり、メイクをすることです。私はぜひと思いケアに入りました。看護師さんはとても手際よく父の処置をしていました。私がしたメイクはちょっと変になってしまいましたが、父にケアをしてあげることができました。そしてその時、看護師は人の死後もその家族もケアをする素晴らしい仕事なんだと思いました。この経験は今も大事な宝物として心に残っています。

教員 佐久間 祥子

 

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