厚木看護専門学校

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あつかんコラム

忘れられない看護(教育)エピソード  「人の役に立てている喜び」 

2021.03.24

私の忘れられない看護エピソードは、看護学生時代に遡ります。看護学校に入学したものの、「看護とは何なのか?」「自分に何ができるのか」と迷い続けていました。2年生の終わりの頃にがん治療専門の病院で4週間の長い実習が始まっても、その迷いは続いていました。そんな中でも、挨拶や日々、声を掛けることはできるはずだと、受け持ち患者だけでなく、同室の患者さんやご家族にも声を掛けていました。実習も最終日になり、同室の方にもご挨拶していると、ある患者さんが「えー!?最終日?そうなの?」と驚きながら、肩を揺らして泣きだしたのです。40歳代くらいの大柄な男性が急に泣き出したので、私はびっくりして「受け持ちでもなかったですし、なんでそんな風に言ってくれるのですか?」と尋ねると、その患者さんは「あなたの日々の挨拶や『大丈夫ですか?』の一声にどれだけ励まされたか、分からないよ」と言ってくれました。涙を流しながら話す姿に私ももらい泣きをしてしまいました。この時私は、自分がしたことでこんなにも喜んでくれる人がいると人の役に立てたと実感し、自分の存在価値のようなものを感じ、自分の看護でもっと喜んでくれる人を増やそう、もっと役に立ちたいと強く思った出来事でした。

 

教員 渡邉 雅英

 

 

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