精神看護学実習 ~看護師自身がケアの道具?~
2024.05.22
今回は精神看護学実習について紹介します。主に精神科の病院で実習します。
精神科というと、なんだか怖いなあという先入観もあるかもしれませんが、実習に行くと患者さん達はとてもあたたかく学生を受け入れてくれます。
実習で学生が受け持った患者さんで、毎日、本来聞こえるはずのない自分の悪口の幻聴が聴こえて辛そうにしている方がいました。学生は一緒にゲームをやったり、絵を書いたりして、患者さんの得意なことに目を向け、気分転換ができればと考えました。その患者さんはとても手先が器用で、そのことを褒めるととてもうれしそうにしていました。7月の時期だったので、患者さんと一緒に七夕のコラージュを作成しました。その患者さんを中心にみんなで模造紙2枚分の大きな作品が完成し、とても誇らしそうでした。その後患者さんから心配なことや、これからのことなどを話してくれるようになりました。
このように、相手の強みに着目し、思いを受け止め、共感的な態度で接することが大切です。また、精神看護では、関わる際、何も道具を持たなくても、看護師自身がケアの道具となります。常に、道具が錆びないよう磨いていくことが大切だと思います。
看護学科 髙橋 隆子
コラージュ…写真や絵などを,新聞・雑誌などから切り抜き,画用紙などの台紙に貼って作品にする。 作品を創ることを通じて、心身の健康を回復する芸術療法に用いられる。
患者さんは芸術家!