厚木看護専門学校

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看護への情熱がみがかれていく。

あつかんコラム

忘れない看護(教育)エピソード「手紙に記された想い」

2021.02.10

看護師になって4年目、病棟業務にも慣れ自信を持って働いていました。そんな時、事故により頸髄損傷となった20歳代の男性Aさんを受け持ちました。Aさんは入院時から声を掛けても返答がないことが多かったため、私は戸惑いを感じていました。スタッフは次第に A さんに声を掛けづらくなっていきましたが、受け持ち看護師である私がやらなかったら誰がAさんに関わるのと思い勤務時には積極的に関わっていきました。Aさんからは「うるせーよ」という否定的な反応がみられましたが、反応があるということは聞いてはくれてると前向きに考えることにしました。

ある日、Aさんの家族に大きな変化があり、その日からリハビリに対して積極的に取り組むようになりました。今のAさんならと思い、ゆっくり話しをする時間を作りました。「母が入院して、だから自分が弟達を食べさせていかないと・・・」と語ってくれました。その日からAさんとともに目標を掲げ、リハビリの自主トレーニングも積極的に行っていきました。その頑張りもあり、自宅退院することができ、その際、その際に手紙を手渡されました。Aさんにとって書字は簡単なことではなかったのですが、大きな字で「いつも信じてくれてありがとう」と書いてありました。患者さんを信じて関わり続けることが大切なのだと心から思った経験でした。

教員:菊池 寛子

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