厚木看護専門学校

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看護への情熱がみがかれていく。

あつかんコラム

忘れられない看護(教育)エピソード  ~患者さんの希望を大切にした『生活』を考える看護を伝える~

2021.01.27

私が教員として学生と関わってきた中で、一番心に残っている体験を話したいと思います。

学生が受け持った患者さんは、脳の病気で場所を覚えることが難しいという障がいがありました。『自宅での生活ができること』を目標に、自宅とは違う場所を無理に覚えることはせず、病棟では誘導のもと生活する計画としていました。しかし、学生は、患者さんの「覚えられない…できないことが多い…」などの否定的な言葉が多いことを気に留め、悩んでいました。そこで、患者さんの「トイレに一人で行けるようになりたい」という希望を大事に考えてみることをアドバイスしました。すると学生は、病棟のトイレや自分の部屋の位置を覚え、まずは病棟の中での自立した生活を送れるようになってもらいたいと看護を考え関わり始めました。病棟看護師もこの学生の想いを理解し、看護計画に取り入れ一緒に実践していくこととなりました。実際に、トイレや部屋の位置がわかると患者さんは喜び、『できる』という体験を繰り返していくうちに前向きな言動が多く聞かれるようになってきました。私は、これからも迷うことなく患者さんの希望を大切にし、患者さんが『今後生活していく』ための『今の生活』を考え関わる看護を伝えていきたいと思います。

教員S

 

 

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