厚木看護専門学校

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あつかんの看護学校コラム

海外の看護事情~アメリカと日本の看護実習の違い~

2025.07.09

病院での臨床実習は、看護学生にとって学びの集大成ともいえる大切な時間です。その“学び方”は、アメリカと日本で大きく異なります。

アメリカでは、実習初日に指導者から「今日は何を学びたい?」と尋ねられることが一般的です。学生はこれまでの課題や関心に基づいて、「この症例に関わりたい」「この看護技術を体験したい」と目標を提案します。学生一人に専属の看護師がつき、日々の学びが個別に調整されるため、同じ病棟にいても、学生ごとに異なる実習体験が組まれます。また、“考える力”や“主体的な関わり”が重視されるので、「なぜその行動を選んだのか」「そのケアにはどんな意味があるのか」など、日々の振り返りやレポートを通して、自らの看護観を深めていくことが求められます。手技の正確さ以上に、看護への姿勢や判断力が評価の中心となるのです。

一方、日本の実習では、学びの内容はカリキュラムで細かく定められており、すべての学生が同じ流れで実習を進めるのが一般的です。「正しく、安全に実施する」ことに重きが置かれ、記録も評価の一部として丁寧に整えます。自由度はやや少ないものの、学生が満遍なく共通の体験ができることや、基礎的な看護技術や丁寧な関わりをしっかり身につけることができます。

どちらの実習にも良さがありますが、これからの看護には「自分で考え、伝える力」がますます求められます。厚木看護専門学校では、実習後の振り返りやグループでの意見交換を重視し、学生が“自分らしい看護”を育むことができる実習指導を進めています。

看護学科 赤堀 貴子

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