海外の看護事情~国際看護の授業で広がる視野~
2025.07.16
アメリカの医療や看護には、ひとつの国とは思えないほど多くの違いがあります。それは、アメリカが州ごとに制度や法律を決める「連邦制」の仕組みだからです。
たとえば、医療保険「メディケイド」の対象や、子どもの予防接種の決まり、終末期医療や出産の支援の仕方まで、州によって異なります。
さらに、アメリカには「ナース・プラクティショナー(NP)」という、医師のように診察や薬の処方ができる看護師がいますが、その働き方も州によってちがいます。
カリフォルニア州などではNPが地域の医療を支えていますが、テキサス州では医師の許可が必要な場合もあります。
こうした「同じ国でも場所によって看護のかたちが変わる」現実は、「国際看護」の授業で学ぶテーマのひとつです。この授業では、アメリカやフィンランド、東南アジアなどの医療制度や文化のちがいを調べ、グループで発表します。
国際看護を学ぶことで、言葉が通じるだけでは本当の看護はできないこと、文化や制度の理解が必要なことに気づきます。多様な価値観を知ることは、どの国にいても「人によりそう看護」を実現するための大切な力になります。
看護学科 髙橋 隆子