私の自慢の○○(9)
2020.01.22
ずっと、自慢になるものを考えていましたが思いつかなく。ただ、考えているうちに思い出した記憶がありました。
ある朝、電車に乗ってすぐ違和感を感じました。
若者が1人酔い潰れて電車の椅子に寝ていたのです。
違和感の理由を悟り、他の人と同じように距離を置いて背を向けて立ちました。
「今日は朝からついていないな」と思った瞬間「ゴン!」と大きな音が後ろから聞こえました。
若者が上半身だけ椅子から落ち、足を椅子のアームに引っかけバタバタしていました。
と同時に、私の体が勝手に動いて若者の上半身を椅子の上に戻していました。
次の瞬間、どっと周囲の人の冷たい視線を感じ「なんだか恥ずかしい」と思い若者の傍を離れました。
何故、あの時そのように感じたのか。
すると前に座られていた年配のご婦人が「あなたはとっても優しい人」と笑顔で話しかけて下さいました。
私の心は一気に温かくなり、誇らしい気持ちに包まれました。
「あぁ、嬉しいな。私、看護師を続けてきてよかったな」とご婦人の一言で救われました。その出会いに感謝し、このご婦人のように歳をとりたいなと思った自慢の思い出です。
看護第一学科長 島田 真由美